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オバマは去年末からまずキューバとの関係改善の意志を発表し、CIAの拷問の事実を公表し、さらに去年のウクライナの政変(西側がこぞってあと押ししたキエフの政変)にCIAが関与していたことを認めた。明かにオバマはアメリカ外交における軍事の比重を軽減しようとしている。だがこれはネオコンと呼ばれるアメリカの軍事強硬派には受け入れがたいことだろう。
けれどもともかく、このまま進めばアメリカ外交の大きな転換点になる(沖縄の辺野古新基地建設問題を思わせる)。
そんな状況のなかで、日本の安倍政権は「わが軍」をアメリカに差し出そうとしている。というのは、「集団的自衛権」閣議決定を受けていま進められている「日米ガイドライン」改訂で謳われる日米同盟強化とは、自衛隊の米軍への更なる一体化であり、日本軍が米軍の一部として「地理的制約」もなくして動き、米軍の肩代わりをするということだからだ(それでも安倍にとっては、自分の指令で動く「日本軍」をもつことになる)。オバマのアメリカがそれをどう「利用」しようとしているのかも考えてみる必要がある。
この件に関してとくに付言しておきたいのは、ベネズエラのチャベスに関する報道についても同じだが、ニュースとして報道するときのナレーション(語り)の枠組みが、いつもすでにあらかじめアメリカ側の見方を下敷きにしていることだ。たとえば、すぐに枕に「反米」という言葉がつく。「反米チャベス」とか「反米キューバ」とか。だが、誰もアメリカ大統領について「反ベネズエラ」とは言わない。「反米」というレッテルはアメリカが自分に盾突く者につけるレッテルだ。このレッテルをそのまま使うのは、当人がすでにアメリカに同調しているという印である。そしてアメリカに対立することを頭からネガティヴだとみなし(考えているのではなく、考えてもいない)、アメリカの傘の下に身を置いて他を見下そうとする岡っ引き根性である。実際の事態を知ろうと思ったら、そんなニュースや論調にはまず気を付けなければならない。
(たとえば「毎日」も、キューバが他のラ米諸国を尻目にアメリカに擦り寄ったような書き方がしてあるけれど、それもアメリカの付け込みどころで、締め出しによってではなくキューバ取り込みでラ米の結束が乱れることも期待している。)
*最後の点、つまりメデアや国際関係論の言説のバイアスに関しては、「欧米メディアはなぜチャベスを嫌うのか?」(
[URL])などを参照されたい。
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