アメリカ大統領選、「分断」とは何なのか(緊急、未整理)
2020-11-04


アメリカで起きている、ほんとうのこと(民主主義、全体主義、ファシズム、右翼、左翼、リベラルなどの分類用語は使わず…)

・今回の選挙は何が「異例」なのか。
・トランプとトランプ支持者の行動によって。
・恣意的・独善的「自由」vs. 法に基づく「自由」
(「根っからのアメリカ」vs.「不純でヤワなアメリカ」)
・「取り戻したアメリカ」は手放さない(大統領が失権を認めない)
・トランプの「無法」が広く支持されるアメリカ。
(日本におけるその模倣・追従者たち)
・他の現象(政治・経済・社会政策、国際統治…)はそこから出てくる

「どちらに勝利の女神が…」というほどアホらしいコメントはない。起きているのはすでに通常の選挙(ルールのゲーム)ではないからだ。
今日、日本のどこかで、信号で止まったところ、後ろからきた車の運転者が突然飛び出してきて、前の車のドアを開けてどなり込み、いきなり一発お見舞い、という事件があった。あるいは、去年騒がれためちゃくちゃな煽り運転。トランプの強固な支持層はそんな事件を思い起こさせる。実際、バイデンの乗った遊説バスを何十台ものジープのような車(白いイスラーム国か?)で取り囲んで威嚇する。10月初めにはミシガン州でコロナ・ロックダウンした女性知事の拉致計画が未遂で発覚した。

今回の選挙戦は異常だと言われた。というのは、現職大統領トランプが敗北しても認めないのではないか、大統領自身が郵便投票を「不正」だと言い、裁判までもつれ込むと言われ、さらには、多くのトランプ支持者は負けたら騒乱を起こし、武装蜂起するのではないか、とまで言われている。つまり、負ける選挙は「不正」だからホワイト・ハウスを銃で死守するというわけだ。各地の投票所にはトランプ支持派が集まって、負ければ暴動を起こす構えで、警官隊も出ているという。もちろん、それに対してバイデン支持者も対抗し、衝突も起きている。このことは軽視していいエピソードではなく、むしろ今回の「選挙」の本質を表している。トランプとその支持者は、勝ったらそれは素晴らしい選挙、負けたらそんなのは「不正」だ、と主張しているのだ。自分が勝つ選挙しか認めない。これはすでに精神病理の問題である。

「異常」なのはそのことである。これは政治家トランプ対バイデンの選挙戦でも、共和党と民主党の戦いでもなく、トランプ支持者とトランプを「アメリカ」の代表にはしたくないという人びととの戦いだ。恣意と権力妄想の権化を自分たちの代表として求める「アメリカ人」と、政治の枠をそれでも守ろうとする他の「アメリカ人」との対立といってもいい。だから、ある意味で選挙の枠組みはすでに否定されている。タガが外れたまま、かろうじて境界線として浮遊しているだけだ。

そしてこの結果に懸っているのは、「アメリカ」がどのような国なのかということだ。アメリカでは恣意的な無法が正当権力として認められるのか、あるいは、それでも秩序と議論が枠を作るのかということだ。(日本の今と似ている)。

要するにこの選挙は、銃や斧で「敵」を追い払ってそこを自分の「自由の土地」にした「根っからのアメリカ人」と、殺し合いになるし体裁が悪いから協議して何とかしようという「妥協したアメリカ人」との対決だ。選挙制度そのものは「妥協」のシステムだ。それに縛られて(相手も縛って)銃を振りかざす権利を主張するグループとその支持者、それをルールで縛ろうとする人びととが対立している。


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